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第7回 2010年8月20(金)
「コンテンツ産業のグローバル化戦略 ポイントはプロデューサー人材の育成」
経済産業省 商務情報政策局 文化情報関連産業課(メディア・コンテンツ課) 総括係長 池田 陽子氏 |
主要な成長分野であるコンテンツ産業 −その現状と課題 |
映画・アニメ等のコンテンツ産業は、「新成長戦略」(平成22年6月18日閣議決定)において我が国の主要な成長分野と位置づけられています。新成長戦略の実現にあたっては、海外からも高い人気を集めている我が国のコンテンツを、新興国を中心とする海外市場においていかに展開していくかということが鍵になります。
しかし現在、コンテンツ産業の国内外売上高15兆円のうち国外売上高はわずか0.7兆円にすぎません。この数字は、海外からも高い人気を集めている日本のコンテンツが、その人気を経済的利益に結びつけられていないということを物語っています。
ここで一つ、我が国のコンテンツ産業の海外展開の現状を象徴する有名な事例をご紹介します。日本で大ヒットしたホラー映画『リング』のリメイクにあたり、ハリウッドはそのリメイク化権を日本側から約1億円で獲得しました。リメイク版『The Ring』は、興行収入を中心に全世界で300億円以上売り上げましたが、日本側に支払われたのは当初の1億円のみでした。なぜなら、リメイク化権を売却してしまっており、利益連動型の契約を結んでいなかったためです。
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コンテンツ産業の源泉は人 −プロデューサー人材育成施策 |
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私はコンテンツ産業の源泉は「人」であると思っています。自らの世界観を実現する人(クリエーター)と、それを産業として組み立てる人(プロデューサー)があいまって、コンテンツ産業は発展していくと考えるからです。
先ほどの『リング』のリメイク化権の問題の背景に立ち返ると、海外の商慣習に精通し、タフな交渉ノウハウを備えたプロデューサー人材が日本側に不足していたことが挙げられると思います。実際に、業界ヒアリングをしていても、同様の声が複数聞かれました。
そこで、コンテンツ産業の海外展開の中核を担うビジネスプロデューサーを育成すべく、今年度から若手プロデューサーの留学支援制度を創設しました。カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)やニューヨーク大学(NYC)など、世界最高水準のプロデューサーコースを有する米国フィルムスクールへの留学支援を通じて、契約や資金調達のグローバルスタンダードの習得から、国際的な人脈のネットワーク化まで、幅広く研鑽を積む機会を提供します。
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加えて、国際的ビジネスプロデューサー養成のために必要とされる知識・ノウハウについて、過去に当課にて体系化した「プロデューサー・カリキュラム」の改訂作業を行っているところです。
他方、今年11月には、知的財産管理技能検定(コンテンツ専門業務1級)が新設されます。コンテンツ専門人材の育成に直結するのみならず、プロデューサーという(なかなか定義することが難しい)職種の客観化にも資するという点で有用であると考えています。とりわけ後者については、資格試験全般に共通する点であると思いますが、個々人のキャリアパスが広がるとともに、良い意味で人材の流動化が進むのではないでしょうか。なお、先ほどご紹介した「プロデューサー・カリキュラム」は、会計・税務、法務、ファイナンス等を網羅していますので、知的財産管理技能検定(コンテンツ専門業務)の基本テキストとして活用されていくことを期待しています。
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2020年のコンテンツ産業の絵姿 −今後の方向性 |
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こうした国際的プロデューサー人材の育成等を通じて、コンテンツ産業の海外展開を押し進め、10年後の2020年には、国内外売上高は20兆円、そのうち海外売上高は、現在の0.7兆円から、約3倍増となる2.3兆円にまで引き上げることを目指しています。これは現在の海外売上輸出産業トップ5に入る規模感になります。2020年にコンテンツ産業が日本経済をけん引している姿を思い浮かべながら、引き続き日々の業務に邁進していきたいと思います。
(以上)
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池田 陽子氏 (経済産業省 商務情報政策局 文化情報関連産業課(メディア・コンテンツ課) 総括係長 )
<プロフィール>
| 2007年 |
経済産業省入省 貿易経済協力局通商金融・経済協力課(総括担当) |
| 2008年 |
貿易経済協力局貿易振興課(国際租税担当) |
| 2009年より現職。 |
課内総括として、日本のコンテンツを世界に発信する「JAPAN 国際コンテンツフェスティバル(コ・フェスタ)」の開催から、書籍デジタル化への対応まで幅広く担当。 | | |