合格者の声:1級(特許専門業務)


【知的財産部門】

「定年からの挑戦でした 
■山川 君男 さん
■60代
■工業材料メーカー知的財産部7年

(年齢・所属・年数等は、合格時の2016年4月時点のものです)
60歳定年前に、製品開発担当の開発部から知的財産部へ移動しましたが、小さな会社であり部員は私一人です。
開発部時代に特許出願明細書の原案を何件か書いたことがある程度で、知財の体系的知識は皆無でした。知財の知識レベルを上げたいと思っていた矢先に本技能検定の存在を知り、2級から挑戦を始めて2回目で合格しました。
当時思っていたのは「1級合格なんて絶対無理」。でも2級に合格したら欲が出て、1級学科を受けたら思いがけず33問正解。これならすぐに手が届くと思ったのですが、2回目、3回目、4回目と立て続けの不合格。やはり無理かと落ち込みましたが、合格するまでやると気持ちをつなげて5回目で学科合格をいただきました。
意気揚々と挑んだ実技1回目は不合格。個々の制度の表面的な知識はあっても、なぜそのような制度になっているのか、理解の深さが足りないと痛感しました。そこを意識して臨んだ2回目で合格をいただきましたが、65歳は今回の最年長合格者ではないかと思います。
記憶力の衰えた定年後からの挑戦でも合格まで押し上げることができ、ひいては知財の体系的知識を飛躍的に向上させることができることをお伝えしたくて投稿させていただきました。

「「めげず挫けず諦めず」に受検し続け、一級知的財産管理技能士になりました。」 
■A.S.さん
■40代
■会社員・食品メーカー知的財産部所属6年

(年齢・所属・年数等は、合格時の2015年4月時点のものです)
食品メーカーで14年間、研究開発業務や商品企画業務に従事した後に、特許業務を担当するようになりました。特許業務を遂行するには、その時まで全く縁のなかった知的財産関連の知識を吸収する必要があり、それを効率よく行うために、知的財産管理技能検定2級(管理業務)の合格を目標として活用したのが知的財産管理技能検定の受検のきっかけです。
まずは、2級の合格を目標に、書店で売っている対策本を読み始めました。最初は初めて聞く言葉だらけで、勉強しては眠くなり、勉強しては眠くなり、の繰り返しで何とか最後までいったところで、2010年6月に2級を受検しました。結果は、学科不合格、実技合格の一部合格でした。その後、2級学科試験の合格を目指し、対策本や過去問を継続して繰り返しました。この繰り返しが内容の理解を深めることとなり、2010年11月の受検で2級学科試験に合格し、二級知的財産管理技能士(管理業務)になることができました。
その頃には、特許業務を2年間しており、特許業務のスペシャリストになることも視野に入れ、難易度は上がりますが、知的財産管理技能検定1級(特許専門業務)の合格を目標とすることにしました。
1級学科の対策本を見て、2級以上に実務能力を問われる試験であることを認識しました。 そこで、合格に必要な知識の取得と、実務経験の両方を積み上げて、1級学科試験に挑むことにしました。しかし、合格までの道のりは、容易ではなく、2011年7月の受検、2011年11月の受検、2012年11月の受検で3回連続で不合格となり、4回目の2013年11月の受検で、やっと1級学科試験に合格できました。その後、1級実技試験の合格を目指し、知識の習得と実務経験の両方をさらに積み上げていきました。2014年3月の受検では残念ながら不合格でしたが、2回目の2015年3月の受検で1級実技試験に合格し、念願の一級知的財産管理技能士(特許専門業務)になることができました。厚生労働大臣名での認定証が来た時には、それは感無量でした。
他の合格者の方のように、スマートに合格できず、あまり参考にならない体験記かも知れませんが、職場異動がきっかけで40歳で学習を始め、それから5年間、「めげず挫けず諦めず」に受検し続けて、一級知的財産管理技能士(特許専門業務)になることができた実例もあることを認識して頂ければ幸いです。
今後は、1級合格をスタートとし、特許業務のスペシャリストとして、更に精進を重ね、日々の業務に貢献していきたいと思います。 

「中小企業の開発マインド強化に向けて」 
■池辺 宏一 さん
■50代
■株式会社エム・システム技研 総務部知財課 勤続4年8ヶ月
(前職・パナソニック コミュ二ケーションズ株式会社 勤務18年)

(年齢・所属・年数等は、2014年6月時点のものです)
私と特許との関わりは大変長く、大学卒業後に都内の通信機器メーカーで約10年間、エンジニアとして勤務していた頃まで遡ります。当時、特許文献は法律文書というより画期的な商品を生み出すためのアイデアのヒントを得たり、コンペチターのトレンドを把握できる貴重な技術資料という位置づけでした。
その後、大手家電メーカー転職後に、エンジニアから知財マン(特許専任)に転身するため、社内大学(別名、虎の穴?)で約半年間の毎日を、特許法習得・調査・明細書作成・中間処理等のスキル強化の場を与えていただき、卒業後には拠点キーマンとして活躍させていただきました。
そして、現職の工業計装用変換器メーカーでも知財全般を担当する中、1級知財技能士を受検しようとした動機は、前職において米国特許実務に精通され、英語も堪能で外国出願の際に様々なご指導をいただいた方ご本人による同技能士の合格体験記をWeb上で拝読したことです。そのとき、特許事務所はもとより、特許調査会社や特許翻訳会社とのお付き合いを通じて、同技能士保有者の知財スキルは非常に高く、円滑に業務を遂行できることのあかしであるということを十分に認識していたため、自らもこの資格を取得したいという強い願望を持ちました。
数回のチャレンジで合格できたのは、実務の中で、常に「特許を通じた技術者の開発マインド強化」という理想を掲げ、技術者に向けた啓発活動とともに新規開発テーマの出願から国内外の権利化までを二人三脚で戦略的にすすめてきたことが大きな要因であると考えます。
メーカーの経営判断としては、知財を生み出す源泉となる研究開発、モノづくりを最優先するのは当然の流れですが、先の理想に向けて自身の成果をアピールできる特許や意匠が大きく貢献できていることは間違いありません。
これからは、自己啓発を通じて修得したスキルを活かし、グローバルな特許戦略や特許紛争の未然防止等、より高度化・複雑化する業務遂行能力を向上させるととともに、現保有の2級知的財産管理技能士と併せ、包括的な知財活動に自らの活躍の場を広げていき、更に後進指導にも役立てるような人材を目指し努力していく所存です。

「知財で日本企業を活性化させることを目標に」
■藤森 玉輝 さん
■30代
■会社員・ヒューマン・メタボローム・テクノロジーズ株式会社 研究開発本部知財担当部長所属1年

(年齢・所属・年数等は、2014年6月時点のものです)
会社の事情により、2013年4月から研究者から知財担当へ職務が変わることになり、新たな職務遂行のために知財実務に関する知識を習得することを目指し、一つの手段として知的財産管理技能検定の資格を取得することにしました。
当初立てた計画通り、2013年3月に3級、2013年7月に2級、2013年11月に1級学科、2014年3月に1級実技に合格しました。
比較的短期間で合格できた理由のうちの1つは、検定試験の勉強をすることが会社の実務に役に立ち、さらに会社の実務によって習得した知識が、検定試験の勉強に役に立つというサンドイッチ効果によるものではないかと考えています。資格取得のためだけの勉強よりも、勉強と実務をサンドイッチする方がより効果的であることが実感でき、一つの良い経験になりました。
今後は、特許の知識だけでなく、契約、民法等の幅広い知識を習得することで、自分の知財業務のレベルをアップさせ、「知財で日本の企業を活性化させること」を目標に掲げ、世のため、人のために貢献できる人材になれるように頑張っていきたいと思っています。

「知財担当として更なる自己研鑽を目指して」
■福井 憲幸 さん
■60歳
■総合容器メーカー知財財産部門所属19年

(年齢・所属・年数等は、2013年6月時点のものです)
私は、総合容器メーカーの知財部門で特許業務を担当しています。昨今、弊社事業においてもグローバルな事業戦略に対応した知財戦略が必須となり、外国出願が大きなウエイトを占めるようになっております。
知的財産管理技能検定1級(特許専門業務)を受検しようとした動機は、国内外の法知識やエンフォースメント、知財戦略等が試されるなど、試験内容が現業務に密接に関連しており自己啓発の意義があると考えたからです。
受検にあたり1級試験に関しては参考書がほとんどありませんので、実務として得てきた知識を整理する意味で、国内外の法改正や最新動向を、インターネットや外部セミナーから取り込み、レジュメを作成しました。国内の法改正については特許庁の実務者研修で、外国関連はジェトロ、特許庁、地方自治体主催のセミナーでレジュメのブラッシュアップを図りました。
また、特許法、不正競争防止法の判例には重点を絞って目を通すようにしました。出題範囲である民法、民事訴訟法については、知的財産法を扱うための基礎事項を書籍を通読して学習しました。1級試験は、出題が企業の知的財産実務に即しており、知的財産に携わる者の幅広い実務能力を問う試験であると思います。
技術立国を目指す日本において、産業競争力強化を図るために、知的財産はさらに重要性が増すと思われます。グローバルな事業展開が必要とされる日本企業にとって、1級試験は実務能力の重要性を認識させる点で意義があり、知的財産に携わる人にとって非常に役立つものであると思います。ちなみに、中国の都心部(北京、上海)では、小学校の高学年から知的財産教育が取り入れられております。
グローバルな知的財産権の世界で日本が勝ち組になれるよう、これから私は、日本の将来を背負う若い人達に、知的財産管理技能検定1級(特許専門業務)受検で学んだ知識や自分の経験を、中・高・大学での講演を通じ伝えていきたいと思っています。

「実務家にとって自身の実力を客観視できる資格」
■桝田 憲明 さん
■27歳
■電気機器メーカー 知的財産部所属4年

(年齢・所属・年数等は、2013年6月時点のものです)
私が知的財産管理技能検定を受検した動機は、自身の現在の実務家としての実力を客観視したいと考えたためです。知的財産部に所属して業務を進めているうちに、知的財産に関する知識や能力等の自身の実力が向上していることは感じられるものの、どの程度向上しているのか?と疑問に感じることがありました。そんなときに、知的財産管理技能検定の存在を知ったことが大きなきっかけになりました。
自身の実力を客観視したいという考えや、不合格になった場合は、まだまだ自身の実力が劣っている証拠であるという考えがあったため、普段の業務を試験勉強と位置付け、取り立てた試験勉強は行いませんでした。結果は、2級では1度不合格になり、2回目の受検で合格しました。1級では、学科試験で1度不合格になり、2回目の受検で実技試験まで合格することができました。
不合格という結果を得たときも、どの分野の知識が不足していたか?勘違いしていたことはなかったか?といったことを見つめ直す良い機会になりました。見つめ直す機会があることで、普段の業務の改善に役立てることができ、その結果、試験の合格にもつながったと考えます。そして、合格という結果を得たことで、自身の実務の進め方や必要な知識が定着していることに自信がつき、普段の仕事で、自身の意見をはっきりと発言できるようになりました。
実務家として仕事を進める中で、本試験が私に良い影響を与えてくれたことに感謝しています。

「実務に直結。会社も奨励」
■K.O. さん
■40代
■会社員・電機メーカー知的財産部所属11年

(年齢・所属・年数等は、2013年6月時点のものです)
知的財産管理技能検定の過去問を見たところ、設問が知財実務にほぼ直結しているところに興味を持ち、また、合格すれば検定料が全額補助されるなど、会社が受検を奨励していることなどから受検を決意しました。なお、基礎的事項の確認として、知財検定2級も受検して合格していました。
学習方法ですが、実は、受検用の勉強はほとんどしませんでした。と言いますか、試験範囲が広すぎてできませんでした。その代わり、実務の方では、国内外の出願、中間処理、ライセンス交渉、契約業務など幅広く10年以上やっておりましたので、強いて言えば、実務がそのまま勉強だったということになるでしょう。
合格後、資格自体を業務に使う訳ではありませんが、各国の新規性喪失の例外規定の相違点などを受検をきっかけに見直すことができましたし、普段の業務に自信がついたような気がします。
1級の取得は希少価値があるので、名刺に書くと目立ちそうです(まだ書いていませんが)。今後は、1級の名に恥じないように、日々研鑽していきたいと思います。
知的財産管理技能検定は、知財の実務経験はあるけれど弁理士の資格取得にはあまり興味ない、という方にはお勧めの資格かもしれません。もちろん、両方取得するのも良いと思います。

「プロであることを試験されたと思っています」
■宮田 誠治 さん
■50歳
■電機メーカー知的財産部門所属27年

(年齢・所属・年数等は、2012年10月時点のものです)
私は大学を卒業してすぐにメーカーに入社、以来25年以上知財担当部門の一員として特許権利化、及びその権利化のプランニングやリサーチその他のサポートを業務としてきました。
一級知的財産管理技能士の資格を取ろうと思ったのは、長年実務として培ってきた知的財産管理の実力レベルを知り、更なる自己研鑽の指針としたかったこと、及び知財管理のベテランとして後進への指導能力のレベルを自ら把握したかったことが主な理由です。
受検するにあたり、2級とは違って試験に関する参考書、問題集等がほとんど無かった事には戸惑いました。しかし、特許法他の法制度と関連規則、審査基準等の知識とそれを活かした対応実務、更にはその基となるべき特許戦略etc.についてを問う試験であることは事前に解っていました。そこで、最近の法改正や動向変化を図書館やインターネットで加味しながら、今まで実務として得てきた知識をおさらいする形で受検勉強を進めました。その結果として昨年の一級学科試験、今年の一級実技試験とそれぞれ一度で合格することができました。
合格して感じたのは、一級試験は知的財産の管理の「プロ」であるか否かを問う試験であり、特許実務に携わる方であれば、戦略に基づいた実務をスムーズに遂行するための日頃の自己啓発がまず第一の試験勉強になるということです。
今後は一級知的財産管理技能士として自らの活躍の幅を広げていくよう実績を積むと共に、後進指導にも更に役立てるような人材を目指し努力していく所存です。

「信頼され必要とされる知的財産管理技能士になりたい」
■M・K さん
■40代
■会社員・商社 知的財産部所属7年

(年齢・所属・年数等は、2012年10月時点のものです)
私は、主に燃料用・工業用ガスを取り扱う商社にて、知的財産担当として業務を行っております。知的財産管理技能検定1級(特許専門業務)を受検しようとした目的は、国内に加え外国の特許制度、ライセンス契約、知財価値評価など、特許に関わる幅広い知識を体系的に学ぶともに、学んだ知識レベルを社内外に対して示すことができる指標を得たいと考えたからです。
勉強法としては、最初弁理士試験向け教材と特許関連図書およびインターネットを使って知識のインプットから始めましたが、実際に学科試験を受けると問題の問われ方によってはインプットした知識をうまく展開できないこと、短い時間で的確に解答することができないことを実感しました。そこで、市販の暗記用問答集を用いて、習得した知識を繰り返し確認しました。この結果、一つの知識を異なる切り口から問われても慌てず、また的確に解答することができるようになりました。
国際的に経済・社会が急激に変化する現在において、知的財産権の位置づけは益々重要になってくるものと思いますし、知的財産管理技能士に求められる要望もより高度化・複雑化すると予想されます。このような状況下、継続的なスキルアップの一環として、今年から資格化された知的財産アナリストも並行して取得しました。技能士・アナリストの両観点から適切なアドバイス・提言を行い、信頼され必要とされる知的財産管理技能士となるべく今後も自己研鑽をしていきたいと思います。

「自己研鑽」
■カズ さん
■40代
■会社員・化学メーカー知的財産部所属10年

(年齢・所属・年数等は、2012年10月時点のものです)
開発部門に所属して10年後に知的財産部門へ配属となり、出願、調査、契約等の業務を担当しております。配属後の数年間は目前の業務を行う事で精一杯でしたが、その後業務にも慣れてきた時に、自分の知財に関する知識及び能力がどのレベルにあるのかの把握、弁理士と対等に議論を交わせるレベルに達する事を目標とし、先ずは2級を受検して合格しました。その後は1級を取得する事を目標とし、出題項目に沿ったレジュメの作成、法改正及び外部セミナーにより取得した内容について適宜レジュメをブラッシュアップする事で、より理解を深める事にしました。特に外国法に関しましては、縦軸に「出願、中間手続、登録、実施許諾、無効審判等」を、横軸に「国名」を列挙した表にまとめ、各国間での相違点を理解し易い様にまとめました。
知的財産管理技能検定1級に合格した事で、自分の知識及び能力に自身を持ち、業務を遂行しております。現在は、弁理士資格を取得する為に、勉強に励んでいます。

「諸外国と対等な日本になるために」
■冨重 弘 さん
■40代
■会社員・パナソニックシステムネットワークス株式会社知的財産権グループ所属10年
(前職:株式会社デンソー知的財産部勤務14年)

(年齢・所属・年数等は、2011年10月時点のものです)
私は、米国の大学へ留学後、自動車部品メーカーに就職し、ワシントンD.C.の法律事務所での1年間の特許実務研修やシカゴ地裁における7カ月間の特許訴訟サポートのためにシカゴの法律事務所で働く機会を頂きながら、知財部門で14年間、特許権利化・ライセンス・訴訟実務に従事しました。その後、九州の電機メーカーへ転職し、知財部門で主に外国特許の権利化・海外企業との契約対応・海外拠点の知財インフラ整備を10年間担当しています。
知的財産管理技能検定を受検しようとした動機は、まずは知的財産部門の実務経験で体得してきた自分の能力を客観的に測りたいと考えたこと、さらに、サラリーマンとして企業へ貢献するだけでなく、資源のない日本が諸外国と対等に渡り合うための若い優秀な人材を育てたいと考えたからです。知的財産管理技能検定1級に合格すれば、高校や大学での講演等で自分の体験や知識を若い世代へ伝えることが可能になるかもしれないと考えました。
知的財産部門では主に特許実務に従事しておりましたので、知的財産管理技能検定1級の受検勉強は特にせずに2009年に受検しましたが、合格点にわずかに足りずに不合格となりました。しかし、特許庁の審査基準と弁理士試験の短答式問題の一部に目を通した上で2010年に受検すると、合格しました。これから勉強しようとしている若い方々には、あまり参考にはならないかもしれませんが、ほとんど受検勉強をせずに私が合格したのは、権利化およびライセンス業務の両面において企業の諸先輩、国内および海外の特許弁理士・弁護士といった「プロ」の方々から、若いうちに徹底的なOJTを受けたことと、この試験が法律知識よりもむしろ実務能力を試す試験だったからだと思います。
今度は、私が、これからの日本を背負って立つ若い人達に、海外で日本が対等に渡り合うことの必要性を説き、海外でも負けない「プロの匠の技」を伝承する番だと思っています。10年ほど前から、日本の企業では、「知財戦略」や「知財経営」といった、一見華やかな知財活動が脚光を浴びているようですが、グローバルな知的財産権の世界では、「プロの匠の技」抜きでは世界で戦うことが出来ないことを、私自身が海外で身をもって体験し、強く感じています。その点、この知的財産管理技能検定1級の試験は、実務能力の重要性を認識させる点でも有意義な試験ではないでしょうか。このたび、知的財産管理技能検定1級に合格したことをきっかけとして、日本の未来に少しでもお役に立ちたいと思っています。

「技術者や部門により良いサービスを提供するために」
■室井 孝夫 さん
■34歳
■会社員・自動車部品メーカー 知的財産部所属2年目

(年齢・所属・年数等は、2011年10月時点のものです)
私は社会人となってから技術者の立場で5年ほど特許出願に携わってきましたが、事業の継続をも左右する特許の重要性に興味を抱き、特許の仕事に深く関わりたいと思うようになりました。そこで旧知的財産検定2級に合格したのをきっかけに、研究開発部内で主に技術者の出願活動支援をする仕事に就くことができました。
しかし当時の私は、特許の出願支援や特許管理をする立場での実務経験はゼロで、かつ知識も専門的なレベルからは程遠いものでした。そのため、困っている技術者の質問(特許性の判断、拒絶応答の回答方針、調査の検索方法など)に対し正確に即答できませんでした。また出願戦略の立案など部門の支援活動も上手くできず、満足なサービスを提供するには程遠い状態でした。
そこで、早急に必要な実務知識を習得し、専門的知識をもって技術者により良いサービスを提供できるようになるために、知的財産管理技能検定1級(特許専門業務)の合格を一つの目安として勉強に取り組むことにしました。
勉強方法は、まず特許法や不正競争などの国内の法律的な知識や判例については、各資格学校などが出版している書籍で勉強し、外国特許法については、社外研修の受講でカバーしました。また、2002年の小泉総理の知財立国宣言から現在に至るまでの特許庁や政府などが発行している関連資料(実務者向け知財制度説明会、秘密管理、知財戦略事例集、知的財産推進計画など)を全て読み、特許の実務知識や知財戦略の基本、国の知財戦略方針を勉強してきました。また2年前に知的財産部に異動してからは、明細書作成や拒絶理由通知の意見書・補正書作成、他社特許の抵触判定書作成などを通して、より深い実務知識を学びました。その結果、第9回試験にて合格することができました。
この合格に至るまでのプロセスによって、最低限必要な実務知識レベルは得られたと実感しています。しかし実際の実務は、正解か不正解の2値で決められる試験よりももっと複雑です。例えば特許調査分析では、試験は課題と解決手段の軸を持つ特許マップを分析させるような問題が出ますが、実際の実務はその前の段階において、検索範囲の決め方や、課題と解決手段の軸に記載する項目の決め方が問題になります。この検索範囲や項目の決め方次第で、後の分析結果も変わってくるからです。
そのため、これまでの試験勉強で得た知識で満足することなく、技術者や部門に対しより良いサービスを提供できるようこれからも実務経験を積み、勉強を続けながら精進してまいります。

「職務内容と試験内容が合致したため、実務経験がそのまま生かせました」
■Y.S. さん
■50代
■会社員・携帯電話機メーカー特許課勤務

(年齢・所属・年数等は、2011年10月時点のものです)
私は、日本とスウェーデンの会社とが2001年に設立した合弁会社で特許業務を担当しています。弊社の製品は、広く世界で販売されています。したがって、グローバルな事業戦略に対応した製品開発戦略及び知財戦略が必須といえます。
昨年、友人から知的財産管理技能検定の話を聞き、自身で調べてみたところ、内容的に現業務に密接に関連し自己啓発の意義もあることから1級(特許業務専門)の受検を思い立ちました。
2010年11月の学科試験の準備は、9月からスタートしました。1級は、(1)特許制度、不正競争防止法など国内外の知的財産制度及びその対応実務、(2)企業内の知的財産戦略及び対応実務、が主要出題テーマと思います。(1)について、国内制度は、弁理士受験の基礎がありましたので助かりました。外国制度に関しては、知的財産協会の「米国特許制度」、「欧州特許制度」研修テキストを利用しました。(2)についてはテキストとして『知的財産管理&戦略ハンドブック』(発明協会)を利用すると共に、そこに上げられているテーマについてWeb検索を利用して最新情報、関連情報をインプットするようにしました。『1級(特許専門業務)学習の手引き(改訂版)』で、繰り返し問題を解きました。加えて、2級の過去問題集も利用しました。11月の受検結果はまったく自信がありませんでしたが、幸い合格しました。
実技試験は2011年7月ですが、私は弁理士受験準備があり7月までほとんど勉強ができないと思いましたが、実技試験の内容は、私の職務内容と合致していると思われたので躊躇せず受検することとし、1月中に自分が受検した学科試験のレヴューと使用資料の整理をしておきました。弁理士論文試験終了後、休暇を1日とって先に整理した資料を利用し再インプットに努めました。
今回、私が合格できたのは、出題が企業の知的財産実務に即して出されていることから実務経験がそのまま生かせたことが大きいように思います。また、妻の理解・支援がありとても助かりました。

「世界を相手に仕事をしていくために」
■Nyoyo さん
■30歳
■会社員・総合電機メーカー知的財産部所属7年目

(年齢・所属・年数等は、2010年10月時点のものです)
知的財産管理技能検定は、弁理士試験と違い、国内特許法のみならず、外国の特許制度、権利行使制度、ライセンス契約、知財価値評価など、幅広い総合的な知識を問う試験です。私の仕事は、特許権の権利化業務が半分とライセンス交渉や訴訟準備など特許権の活用業務が半分という状態でしたが、知的財産管理技能検定の勉強をすることにより、先に挙げたような幅広い特許に関する知識を網羅的に勉強することができ、非常に有意義でした。
私は、研究開発こそ世界人類の発展に繋がると信じています。テレビやカメラなどのコンシューマー向け電化製品の価格はどんどん下がってきており、韓国、台湾、中国メーカーが破格の製品を投入することで、日本企業は利益を上げにくい状態になってきています。行きすぎた価格競争は、研究開発投資を低減させ、イノベーションを阻害します。
このような進む価格競争の中で、研究開発投資の回収のために、特許権の適切な活用がますます重要になっていくと思います。
知的財産管理技能検定1級(特許専門業務)の合格に必要な知識は、色々な角度から“特許”を見ることのできる力を養うものであり、ここで身につけた知識は特許に関係する仕事をする人にとって非常に役に立つものだと思います。
今後も世界で戦える特許を取得して、日本の技術を守り、日本の産業の発達に貢献できるようにがんばっていきたいと思います。

「一級知的財産管理技能士になることで、実務能力をさらに向上させるための足がかりを得ました」
■梅木 啓行 さん
■20代
■会社員・電気メーカー知的財産部所属3年、特許権利化担当

(年齢・所属・年数等は、2009年12月時点のものです)
過去にした弁理士試験の勉強で、日本の知的財産法についてはある程度理解していましたが、実務面の知識がまだまだ弱く、特に諸外国の特許実務の理解が不十分でした。また、私はメーカーの知財部で材料に関する発明の特許権利化(明細書作成、国内外のオフィスアクション対応)を担当していますが、契約や訴訟などの、普段自分があまり関わることのない分野についても見識を広げたいと考ました。そこで、これらを学習するためのきっかけ作りとして、知的財産管理技能検定を受検することにしました。
学習方法としては、『知的財産管理技能検定1級学習の手引き』で模擬問題をやるとともに、本書で紹介されている文献(「知っておきたい特許契約の基礎知識」など)の読み込みを行いました。また、諸外国の特許法の勉強には、知財協のテキスト(「米国特許をうまく取得する方法」など)を用いました。勉強にあたっては、普段の仕事をやっていて自分の理解が弱い部分や担当外の分野に特に力を入れるよう心がけました。
合格して得た知識や技能が現状の実務にダイレクトに役立っている点としては、外国の特許法や特許実務についての理解が深まったことです。これによって、office action等に対して、より適切な処置ができるようになりました。また、合格後は、契約や権利行使の場面をより具体的に想定しながら明細書作成ができるようになりました。このように、1級試験を通じて得た特許実務についての幅広い知識が、直接的又は間接的に業務に活かされていると感じています。
知的財産管理技能検定は、知財学習のマイルストーンおよびモチベーターとして意義があると思います。その中でも1級試験は、特許実務についての全体を対象とするものであり、これを学習することにより、特許実務に直結する幅広い知識を得ることができます。 私は、一級知的財産管理技能士になることによって、実務能力をさらに向上させるための足がかりを得ることができました。今後も、自己研さんを続け、将来的には企業の知財戦略をリードしていける人材になりたいと思います。

「弁理士試験と両立してダブル合格。知財部員としてより広い業務に対応できると考えています」
■石井 宏和 さん
■28歳
■会社員・総合電機メーカー知財部所属4年目

(年齢・所属・年数等は、2009年12月時点のものです)
知財検定の時から存在は知っていましたが、国家資格になったのをきっかけに詳しく内容を見たところ、知財部に勤める私にとって必要な知識である国内外の法知識や知財戦略などが試される試験だとわかり 、この試験を利用してより知識の充実を図ろうと考えて受検することにしました。これが、知的財産管理技能検定を受けたきっかけです。
1級は問われる知識が幅広く、また参考書すらほぼない状況で、過去問も公表されていませんでしたので、唯一公表されていた出題分野を手がかりに本屋で参考書を買い込み、それを読み漁りました。結果的に試験にはあまり関係のない勉強もしてしまいましたが、知識という意味ではかえって自分のためになったと考えています。また、実務経験があることは、拒絶理由対応などの問題で有利に働いたと思います。
一方、弁理士試験にも挑戦をしており、20年度の試験が口述落ちだったため、この対策と並行して1級の勉強をすることになりました。口述試験対策は今までの知識の復習と暗記がメインであり、また1級とは試験日がずれていたため、それぞれの試験日を考慮しながら、試験直前はその試験の勉強に集中し、それ以外では毎日1時間を弁理士試験に充て、残った時間を1級の勉強に充てるなど、時間のバランスを取って勉強しました。
弁理士試験と1級の両方の取得を目指した理由ですが、まず、知財部に勤める私にとって一番接するのは国内の案件ですので、権利化にあたり弁理士試験で培った知識は非常に有用です。また、後述する国外の法律を学ぶにあたって、国内の法律を知っていることでより理解が深まります。さらに、特許事務所や特許庁の方と同等の知識レベルで話すことができ、より有意義な議論をすることができます。
しかし、知財部員に求められる知識は、国内だけではありません。企業の製造・販売活動がグローバル化するのに対応して、特許出願も日本はもちろん海外に広く出願する必要が出てきます。そうすると、日本以外の国の特許法の知識、とりわけ米国と欧州については理解が必須となります。
また、必要なのは法律の知識だけでもありません。単に権利化をするだけではなく、どのような出願や権利化の方針を立てるのが事業にとって最適なのかなど、昨今の知財をめぐる状況を把握し、事業活動に知財の側面から的確なサポートをすることが知財部員には求められています。
この意味で、国内法に留まらない広い知識を問われる1級は非常に有益ですので、弁理士試験と1級の両方取得を目指すことによって、知財部員としてより広い業務に対応できるようになると考えています。
今後については、弁理士試験と1級に合格はしたものの、実務経験はまだ浅く、至らない点が多いのが現状です。また、知財をめぐる状況は日々刻々と変化していますので、合格に慢心することなく勉強を続け、事業に大きく貢献できる人財になりたいと考えています。

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