知的財産管理技能検定の活用学校インタビュー大阪工業大学知的財産学部
学部長・教授、大学院研究科長・教授 石井 正さん 大阪工業大学知的財産学部(大阪市旭区)は、「日本で唯一の知的財産学部」として2003年に開設されました。日本において、必要とされながらもまだ不足している「知的財産人材」を養成する学部として、広く関心・期待が寄せられています。
日本で唯一「知的財産学部」の特長とは
知的財産学部は、理系の工業大学の中にある「文系」学部。法律の基礎知識を身につけたうえで、知的財産に関する法律や知的財産の保護・活用を進めるための管理・戦略、契約、国際法務などの実務を学び、さらに経済や経営、専門英語、科学技術などを学ぶという点が、一般的な法学部にはない知的財産学部の大きな特長とのことです。「工学部の講義を受講でき、単位を取得することもできます。『法律と技術の両方で知的財産を学ぶことができる』ことも、工業大学ならでは特長です」(石井さん)。 【大阪工業大学知的財産学部の特色ある科目(一例)】 推奨資格3本柱のひとつ「知的財産管理技能検定」知的財産学部では、「語学」「知財」「情報」を推奨資格3本柱としており、知的財産管理技能検定もそのうちの1つ。「学部にいちばん近い資格として、第1期生から団体受検を取り入れています。推奨資格として、受検料は大学で半額負担しています」(澤井さん)。2007年から、3年次前期に「知的財産資格」という事実上受検を目指す2単位を取得できる専門科目を設けており、主に3級合格を目標に全14回の授業が実施されているとのことです。「知的財産管理技能検定を受検することは、それまで授業等で学んできたことをもう一度復習しなおすことができるよい機会となります。また、合格すれば、就職希望先の企業に『大学で教わること以外に自主的に打ち込んだものがある』『この学生はある一定のところまで勉強した』と評価してもらえる客観的な判断材料となればと思っています」(石井さん)。
養成を想定する知財人物像は「パラリーガル」知的財産学部が養成を想定する知財人材像は、「パラリーガル」。「弁理士のような高度な専門人材1人につき、仕事を効率よく進めるためのパラリーガル=サポートスタッフ(調査業務や連絡業務等を行う者)が2、3人は必要であり、学部ではこのパラリーガルの養成を想定しています」(石井さん)。
様々なキャリア・年齢の院生が切磋琢磨する「知財専門職大学院」大阪工業大学には、さらに高度な知的財産に関する専門知識を学べる「知財専門職大学院」があります。知的財産学部から卒業後に進学する者もいますが、社会人が4割を占めるとのこと。「現役の弁理士や弁護士の方、すでに知財実務に携わっている方や別の分野でのキャリアを培ってきた方、弁理士を目指す学部卒業生など、様々なキャリアや年齢の院生が集まり、現職でのキャリアアップや知財にかかわる職種への転職や異動、就職を目指して非常に熱心に学ばれています。学部卒業生は、実務家の院生と机を並べて学ぶことで、特に大きな刺激を受けているようです」(澤井さん)。
専門職大学院は、独立型の大学院であり、教員も大学の知的財産学部とは別の専任教員が置かれており(一部大学と兼務)、知的財産実務のエキスパート人材が教員として教鞭を振るっています。実際に大学院内を見学させていただいたところ、大学院生一人ひとりに自習室の机・椅子が用意されており、また、知的財産に関する文献が何でもそろう資料室・図書館があるなど、学習環境も非常に整っています。
取材日:2009年7月23日 大阪工業大学にて |
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